全国大会、超CSと大型大会を暴れまわった《モモキングダム》と《モモキングJO》。恐らく、どんなカードよりもドラゴンをバトルゾーンに送り出したであろう《バトライ刃》。そんな彼らも先日の殿堂発表で姿を消した。
今から始まるのは、空席の玉座に誰が座るのかの大一番。波乱のアドバンス環境を乗り越えた猛者を紹介しよう。
マイケル(@Saizeriyaman)が使うのは旅路バーンメア。独自のチューンも光るが、その本質は一度走り出したら止まらない展開能力だ。《バーンメア》《カンちゃん》《ダンダルダ》《灰になるほどヒート》……瞬く間に手がつけられなくなる。更には《ジョリー・ザ・ジョニー Final》《勝熱と弾丸と自由の決断》という第二第三の弾も用意されている。
自他共に認めるプレイ速度を勢いに変えて走りきれるだろうか。
対するはモノクマ(@GANTZ66666)の火闇ドルマゲドン。登場こそ2017年と昔のデッキタイプだが、手を変え、品を変え、クロニクルな新規を大量に獲得して現環境に王手をかける。《ドルマゲドンX》についた4つの封印、それが全て剥がれたとき相手の盤面を全て消す禁断爆発という一撃必殺技も併せ持ち、隙のない受けデッキに仕上がったといえる。
お互い千葉のランキングを走るランカー同士。ミニ超ガチCSの決勝に相応しい顔ぶれだろう。早速みていこう。
1本目 先攻:モノクマ
お互いチャージのみで終える最初のターン。先に動いたのは先攻のモノクマであった。
《Forbidden Sunrise》を展開し、次ターン以降から封印を剥がしていく構えをみせる。火闇ドルマゲドンの強化はクロニクルだけではない。ここ数年の強化は特に凄まじく、次ターンでもその片鱗をうかがえる。
勢いそのまま、モノクマが送り出したのは《霊刑連結 ジゴク・パルテノン》。
《パルテノン》はマイケルの手札を蝕む。
後にマイケルは語る。
「最大3本のうち(決勝戦は2本先取制)、1回は2→3で《パルテノン》されるからそこは割りきる。動揺はなかった。」
予見していた状況に陥ったマイケル。焦ることなく《オラオラ・ジョーカーズ》で手札をキープしつつ、マナを伸ばしていく。
しかしその落ち着きを奪ったのはモノクマの《パルテノン》であった。いや、説明が不足していた、モノクマの"2体目の"《パルテノン》であった!
2体の《パルテノン》はマイケルの動きを著しく制限する。《超GRチャージャー》から《全能ゼンノー》を送り出すのみでターンを返すマイケル。対してモノクマは《マッド・デーモン閣下》で3体目の《パルテノン》を用意し、《ドルマゲドンX》の封印も残り1つとする。
手札もない。バトルゾーンも《ゼンノー》のみ。《ドルマゲドンX》の封印は残り1つ。流石のマイケルも、2体の《パルテノン》による責め苦に手も足も出ない。
このまま2本目に突入するのか。いや、新環境という荒野を駆けるべく、マイケルの愛馬は駆けつけてくるのだ!
この土壇場で引いたのは…
《バーンメア・ザ・シルバー》!!
後にマイケルは語る。
「ジョーカーズって凄いんですよ。こんなにカードパワー低いのに、集まればとんでもない動きをする。スイミーみたいなこいつらが好きですね。」
《バーンメア》から送り出されたのは《The ジョラゴン・ガンマスター》と《ジェイ-SHOCKER》の2体。惜しくもこれ以上続かないが、《SHOCKER》で《バーンメア》を手札に戻してコスト「6」を咎める。続く《ガンマスター》、《ゼンノー》!
群れを成したジョーカーズは、モノクマのシールド4枚を叩き割る。
しかし、モノクマもただやられている訳ではない。4枚のシールドのうち1枚は《最終龍覇 ボロフ》だったため、《銀河大剣 ガイハート》を装備して横に広げる。
4枚の封印が外れて誕生する《ドルマゲドンX》は、適切なタイミングでないとむしろ負け筋となりうる。かつての相棒《モルトNEXT》では、あえて禁断爆発させないという戦法すら採られていたほどだ。
しかし、令和の火闇ドルマゲドンにそのような隙は無い。禁断爆発したくなければ、させなければいいのだ。《ボロフ》の召喚は2ターン目に展開した《Forbidden Sunrise》の封印を剥がし、モノクマは以前として《ドルマゲドンX》のカウントを1でキープしている。
マイケルの猛攻をしのいだモノクマ。まずは《解罪 ジェ霊ニー》でマイケルの《バーンメア》を落とすと、《閣下》がマイケルに詰め寄る。
時空の狭間から《時空の禁断 レッドゾーンX》という侵略者となって!
《SHOCKER》を破壊し、《ガンマスター》を討ち取る。続く《ボロフ》も同じく《レッドゾーンX》に侵略し、《ゼンノー》を破壊しながらマイケルのシールドに迫る。
マイケルは《7777777》をトリガーさせ「5」を選ぶも、《パルテノン》にはEXライフがあるためこのターンも手札を奪われる。
手札もバトルゾーンもない。前ターンと同様の厳しい展開である。
しかし、前ターンは愛馬《バーンメア》が駆けつけたように、切り札は光る場面で来るものなのである。
マイケルの渾身のドローは《キング・ザ・スロットン7/7777777》!!
《スロットン》は追加のジョーカーズを呼べ、そのままモノクマに攻撃可能だ。先ほどトリガーした《7777777》で《パルテノン》のEXライフは無くなり、モノクマを守るシールドは1枚のみ。
《スロットン》から《スロットン》が捲られれば!後続を呼べる《バーンメア》でもいい。チャンスを作れる《旅路》や《グレープ・ダール》もゲームを決めうる。
………あくまでそれは《スロットン》を召喚できればの話。相次ぐ《パルテノン》の手札破壊により、切り札はあれど7マナ目として埋める手札が無かった。
マイケルは下面の《7777777》で今度こそ《パルテノン》本体を山札の下に追いやるが、モノクマは《ドルマゲドンX》ではない禁断を既に準備していた。
《終焉の覚醒者 レッドゾーンBSR》!!!
手札を、バトルゾーンを刈り取られ、丸裸になってしまったマイケル。《ガイギンガ》を含め、そびえ立つ3体の大型クリーチャーに轟沈したのだった。
モノクマ 1-0 マイケル
火闇ドルマゲドンはあらゆるゾーンを操る。相手の手札、バトルゾーン、超次元ゾーンに超GRまで。全てを統べて、アドバンス環境という大海を乗りこなすのだ。
さて、本大会は予選7ラウンドに加え、本戦は2本先取。両プレイヤー共に10を優に越える勝負を終えていることになる。長い戦いを締めくくることになるかもしれない決勝戦2本目も追っていこう。
2本目 先攻:マイケル
後にマイケルは語る。
「3ターン目の《ダクマ》は人が◯ぬ!!」
2ターン目の《Forbidden Sunrise》、3ターン目は《鬼寄せの術》からの《悪魔龍 ダークマスターズ》。
流れるようなピーピング3ハンデスを決め、ゲームの主導権を握るモノクマ。
マイケルは残った唯一の手札である《勝熱と弾丸と自由の決断》を唱え、《Forbidden Sunrise》をモノクマの山札下に返す。更に、続くターンでマイケルの隠し球《ホアート・サケビーJr.》で《ダークマスターズ》を破壊するも、ここでマイケルの手札が尽きた。
その間モノクマは、《閣下》による後続の確保、《ボロフ》の《ガイハート》装備と準備はできている。
SAとなった《ボロフ》がシールドへ。続く《閣下》は《レッドゾーンX》として更にシールドへ。
龍解条件を満たした《ガイハート》、もとい《ガイギンガ》がマイケルの最後2枚のシールドを叩き割る。
このまま為す術なくやられてしまうのか。スイミーは所詮小魚なのか。
否、スイミーは群れを成しアドバンス環境という大海を泳ぐ。やがてそれは大きな波を呼ぶ!その場にいた観客、ジャッジ、筆者すらも飲み込む程の大波を!
《SMAPON》2体のシールドトリガー!!
手札はある。マナもある。バトルゾーンには《SMAPON》が2体いる。
《超GRチャージャー》から《SHOCKER》を呼び、残る6マナで《バーンメア・ザ・シルバー》!
《ダンダルダ》と《ガンマスター》を超GRからスピードアタッカーとして呼び出す。先ほどの2体の《SMAPAN》に加え、モノクマには《鬼寄せの術》の代償がある。そう、ゲームを決めうるだけのジョーカーズがマイケルの元にあるのだ!しっかり打点を数え攻撃態勢を整えるマイケル。《ダンダルダ》の攻撃時に《バーンメア》をJトルネードし、《勝熱と弾丸と自由の決断》を唱えると《SHOCKER》を攻撃可能に!マイケルは更なる打点を追加する!!合計5体のクリーチャーがモノクマを襲おうとしていた……!!!
後にモノクマは語る。
「このゲーム中、最初の手札から見えないようにずっと温存していました。このデッキの強みは…やっぱりこれなので。」
ニンジャ・ストライク4、《終断χ ベガスランチャー》!!!
最後の封印が外れ、顕現した《終焉の禁断 ドルマゲドンX》。
その名の通り、《ドルマゲドンX》は本大会を終焉に導く。マイケルは攻め手の一切を失い、敗けを認めたのだった。
WINNER:モノクマ!!!
8月発売のクロニクルデッキによる強化を活かし、ミニ超ガチCSを制したのはモノクマの火闇ドルマゲドン。クロニクル以外の強化も120%活かしきり、序盤中盤終盤、一切の隙が無かった。納得の優勝だろう。
近く、アドバンス構築の超大型大会グランプリ2022も控えている。プレイヤーもデッキタイプも、これからも両雄の活躍に期待したい。
文責:ジャイロ