【第38回】CARDBOX横浜日吉本町CS にんにくましのすけvsカチュア

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参加者32人にも関わらず、参加デッキタイプの数は25以上という魔境。それが現在のオリジナル環境だ。

そんな何が勝つか分からない環境において信用できるもの、それは……

パワーしかない。

勝戦まで勝ち残ってきた両名の「パワー」、とくとご覧あれ。


にんにくましのすけの使う4c邪王門は文句ナシのデッキパワーを誇る。その爆発力は他のデッキとは格が違う。まさしくパワー。力こそパワー!どんなに追い詰められても、立ち上がる不屈の筋肉である。《鬼ヶ大王 ジャオウガ》で自らの盾を削りながら戦う姿は、生きる高負荷トレーニンとも言えるだろう。


対するカチュアは水闇自然ジャオウガで迎え撃つ。しなやかな筋肉がバランスの良い体に繋がるように、デッキ自身の対応力と《CRYMAX ジャオウガ》の押し付け力が魅力だ。それらを支えるのは《天災 デドダム》や《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》。圧倒的なリソース供給能力はデッキの基礎代謝を上げ、引き締まったデッキを実現させた。まさしくハンデス界の細マッチョだ。


柔のカチュアか剛のにんにくましのすけか。勝つのはどっちな~んだい?!早速見ていこう。ヤー!!!


1本目

先攻:にんにくましのすけ


お互いにマナ加速から始まる序盤。先に大きく動いたのはカチュアの《 有象夢造》。《キャディ・ビートル》と《悪魔妖精ベラドンナ》を場に出し、にんにくましのすけの自由を奪う。ここでマウントポジションを取ったカチュアは手を緩めない。

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《天災 デドダム》、《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》とリソースを伸ばしつつ、《有象夢造》による手札破壊も行う。ここまでコントロールするのに眠れない日もあっただろう!瞬く間に10マナ圏内まで伸ばし、墓地に《絶望と反魂と滅殺の決断》を準備した。


対するにんにくましのすけ、自身の動きは《天災 デドダム》でマナを伸ばすのみ。カチュアの対応に追われている様子だ。《希望のジョー星》は《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》で、《キャディ・ビートル》は《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》で。こまめな除去を続けてはいるものの、決め手に欠ける。


反対にカチュアの手は止まらない。《絶望と反魂と滅殺の決断》から《天災 デドダム》を2体蘇生するとリソース差を決定的なものにした。好機を逃すまいと、このターン2度目の《絶望と反魂と滅殺の決断》!

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《悪魔妖精ベラドンナ》を蘇生&にんにくましのすけの《天災 デドダム》を破壊。「柔よく剛を制す」とはまさしくこの状況だろう。

《悪魔妖精ベラドンナ》の手札破壊に《キャディ・ビートル》の妨害、それを支える《天災 デドダム》のリソース確保!仕上がってる!カチュアの水闇自然ジャオウガはキレッキレだ!いまにも「It's My Life」が聞こえてきそうな勢いだ。


《悪魔妖精ベラドンナ》がにんにくましのすけの最後の手札を奪った。あとはカチュアが詰め切るだけ。誰もがそう思ったとき、にんにくましのすけはウォームアップを始めた。ここで、先ほどの「It's My Life」は誰のための音楽なのか思い知らされる。


???「パワー!!!!!!!!!!!!」

否、《貝獣 パウアー》!!!!!
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にんにくましのすけが最後に抱えていたのは《貝獣 パウワー》!その効果で4ドローをするとにんにくましのすけは腕をまくる。


今までの窮屈なプレイは低酸素トレーニングと言わんばかりに、のびのびと動くにんにくましのすけ。《「未来から来る、だからミラクル」》で更に手札を増やし、効果で《生命と大地と轟破の決断》を唱える。出すのはもちろん《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》と《鬼ヶ大王 ジャオウガ》!伝家の宝刀!デカァァい!説明不要ゥゥ!

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盾回収を挟み、にんにくましのすけの手札は溢れんばかり。加えてカチュアのメタ軍団は《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》によって撤退している。


カチュアの盾に回答は無く、にんにくましのすけがダイレクトアタックを決めた。


にんにくましのすけ 1-0 カチュア


あの逆境すら跳ね返すデッキパワー!屈強なデッキにしかできない荒業である。

対して、惜しくも一瞬の隙を突かれたカチュア。切り札の《CRYMAX ジャオウガ》をまだ見られていないが活躍の場はあるのだろうか。続きを見てみよう。


2本目

先攻:カチュア


筋トレ後の休息に近い何かがあるのだろうか。1本目と打って変わって静かな展開を見せる。いわば「超回復」を狙う両者。

《若き大長老 アプル》、《Dis ジルコン》、《希望のジョー星》、カチュアはメタカードの展開とリソース確保を両立して行う。対するにんにくましのすけも《お清めシャラップ》でカチュアの《悪魔妖精ベラドンナ》を山に返して応戦。《有象夢造》を働かせない。f:id:jairo_j:20221025104550j:image
一手の遅れが致命傷となるのを、お互いの筋肉で感じた1本目。にんにくましのすけが《「未来から来る、だからミラクル」》で手札を2枚増やした段階でカチュアは手札破壊プランを諦め、《悪魔妖精ベラドンナ》をマナ加速で使用。


その間ににんにくましのすけは《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》で《希望のジョー星》を破壊して革命チェンジ、鬼エンドの舞台を整えた。

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カチュアにんにくましのすけの手札をこれ以上見逃せないと判断。《絶望と反魂と滅殺の決断》を唱え、《悪魔妖精ベラドンナ》を蘇生&《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》を破壊。おや、この流れは…。勘の鋭い読者はお気づきだろう。筋肉にマッスルメモリーがあるように、デュエリストにも潜在的な記憶能力が備わっているのかもしれない。

またしても「It's My Life」が聞こえてきた。我々はこの“流れ”を知っているはずだ。そう、ヤツが来る!!

《貝獣 パウアー》!!!!!!

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ここからはカードパワーの暴力。先ほどの静けさはどこやら、にんにくましのすけの動きがダイナミックに変わる。


《天災 デドダム》+《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》という二大巨頭。現代デュエルマスターズのダブルバイセップス!《Dis ジルコン》、《若き大長老 アプル》を瞬く間に除去。しかも《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》の回収先は《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》。同じ展開は許さないという強い意思すら感じられる。


《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》のカードパワーを身をもって体感したカチュア。しかしそこはカチュアの土俵でもあった。純粋なカードパワー比べなら彼の右に出るものはいない。その黒光りするボディは進化元がなくともキレッキレだ。

《CRYMAX ジャオウガ》!!

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《CRYMAX ジャオウガ》+《異端流し オニカマス》という黄金パッケージを前にしてもカチュアに驕りはない。タップ状態の《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》を攻撃対象に、《天災 デドダム》と手札を奪う。いわゆる「貯め」のプランだ。

だが、その「貯め」は隙ともとれる。にんにくましのすけの手札にあった《鬼ヶ大王 ジャオウガ》を《CRYMAX ジャオウガ》で落としたカチュアであったが、それで安心できる訳ではないのが4c邪王門というデッキの強みだ。


まずは《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》を召喚したにんにくましのすけ。効果で捲った5枚の中に……「それ」はあった。現状を打開する最強の回答が!

生きる高負荷トレーニング、《鬼ヶ大王 ジャオウガ》!!

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先ずは《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》で《異端流し オニカマス》を打ち取り、《鬼ヶ大王 ジャオウガ》の攻撃で《百鬼の邪王門》2発を引っ提げカチュアに迫る。更には《時の法皇 ミラダンテXII》を絡めながらT・ブレイク!f:id:jairo_j:20221025101742j:image

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これ以上返す手段が無いと判断したカチュアは投了を宣言した。


WINNER:にんにくましのすけ!!!!


現在のオリジナル環境を定義する4c邪王門vs水闇自然ジャオウガというマッチアップ。相性差が現れた結果にはなるが、カチュアの絶妙なタイミングの《希望のジョー星》とそれを丁寧に捌き続けるにんにくましのすけ《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》など、ただの相性という言葉で片づけてしまうには惜しい良い戦いであった。

ともあれ、最終戦に相応しいナイスバトルに拍手を送ると共に、最後はにんにくましのすけに"あの台詞”と“あのポーズ”で締めていただこう。


「「「パワーーーーーーー!!!!!!!!!」」」f:id:jairo_j:20221025101717j:image


文責:ジャイロ

【湯けむり】東横インCS 決勝戦


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DMGP2022の裏で、激しくアツかりしデュエルマスターズが行われていたことは誰にも知られていない。否、知る由もない。(だって身内対戦のカバレージ化だもの。)


「フィーチャーマッチテーブルの発表です。

はぐれ狼さんと久保純一さん、お越しください。」

ビッグサイト近くにある東横インの606号室で肉声のアナウンスが響いた。


2人ともGP1日目のアドバンスに参戦し予選敗退、“諸般の事情”でサイドイベントを一切遊べなかったためモヤモヤを抱えながらホテルに戻ってきた。行き場の無いフラストレーションは、彼らに闘争を与える。

我々には時間も、デッキも、対戦相手も、そして幸運にも良いサイズの机もあったのでこの戦いが始まろうとしていた。

今日一日、色々な負けが込んでいる。締めくくる戦いに負けたくないのはどちらも同じだ。


ちなみに勝者にはベッドで寝る権利が贈呈される。敗者は床で腰を痛めることになるだろう。やはり負けられない。


先行:はぐれ狼

2ターン目に《Re:ライフ》、続けて《お清めシャラップ》と順調にマナを伸ばすはぐれ狼。マナゾーンに《カーネル》があることから、光水自然のビッグマナデッキと推測される。

「このデッキ。どうやって動かすんだ…?」

そう呟くには理由があった。実は、はぐれ狼の使うデッキは彼のモノでない。クソデッキビルダー558にほぼほぼ初見で押し付けられているのだ。手探り状態で勝ち筋を辿る姿は、新主人公斬札ウィンを彷彿とさせる。


対する久保純一は3ターン目に《ネ申・マニフェスト》からスタート。火光水の鬼羅.Starデッキであることが判明した。相手の妨害が得意なデッキであるが、使用者本人すら知らないデッキ相手に戦いきれるかがポイントだろう。

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手札入れ替えを終えた久保純一は《エヴォ・ルピア》からお得意の大量展開をしてくるだろう。シンカパワーで選ばれなくなる《マニフェスト》はなんとかしたい。はぐれ狼は《バジリスク》をバトルゾーンに送り出し、《マニフェスト》を止めつつ後続に待ったをかけた。

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しかし、展開そのものを止められている訳ではいない。久保純一は《エヴォ》+《鬼羅スター》から《ナギテラス》を場に出し、《T・T・T》で手札を補充。久保純一の手は止まらない。《鬼羅スター》の攻撃時に《奇天烈 シャッフ》を呼び出し「6」を宣言。はぐれ狼の《バジリスク》をすり抜けてWブレイクを決める。

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苦戦を強いられているはぐれ狼。自身のデッキが、未だ何をするデッキなのか予測がつかない。ひとまず《マニフェスト【聞け】》を使いデッキに回答を問いかける。するとマナゾーンに《バラギアラ-MAX》が落ちた。

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「なるほど…?」

そう、クソデッキビルダー558に渡されたのは《バラギアラ-MAX》をフィニッシュに据えたビッグマナデッキ。558の独自の構築理論の一端を受け取ったはぐれ狼は、すかさず《バラギアラ-MAX》を回収してターンを返した。


しかし、558の意図を読み取った者は他にいた。対面の久保純一だ。

パワー6000以下の攻撃を封じる《バラギアラ-MAX》は小型ビートの鬼羅スターデッキにとって天敵ともいえる。

《バラギアラ-MAX》着地前の決着を迫られた久保純一

またしても《エヴォ》+《鬼羅スター》のコンボから、同じく《ナギテラス》を展開。

唱えた呪文は《瞬閃と疾駆と双撃の決断》!

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《その子供、可憐につき》がスピードアタッカーを持って駆けつけた。よって、このターン全てのクリーチャーが攻撃可能になる。


勝負を決めたい久保純一は、《鬼羅スター》からさらなる《シャッフ》を呼び出し「6」宣言で《バジリスク》を動かさせない。

だが、このままやられるはぐれ狼でもない。《【聞け】》でマナは8まで伸びている。

ニンジャ・ストライクで《バジリスク》を呼び出し、既に場にいる《バジリスク》と合わせて久保純一の攻撃を封じ込める。シールドこそ失ったが、攻撃を捌き切ったはぐれ狼。千載一遇のチャンスをもぎ取った。


チャージしてマナは10。《バラギアラ-MAX》が動きだそうとしていた…!

 

 


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……が、あまりにも《可憐》が重くのし掛かる。

進化クリーチャーである《バラギアラ-MAX》は《可憐》によりタップしてバトルゾーンに出る。つまり、バトルに勝ったときに使えるはずの6000以下の攻撃を封じる能力が使えないのだ。


はぐれ狼が《ウマキン》から探してきた回答は《「六奇怪の四 ~土を割る逆瀧~」》。広がりきった盤面をなんとか食い止めたが、今度は《シャッフ》が牙を剥く。

攻撃時の「6」宣言により、ブロッカーであるはずの《バジリスク》は機能を停止。はぐれ狼は抱えていた《サイゾウミスト》を吐き出さざるを得ず、ジリ貧を強いられる。


これではもぎ取ったターンも有効打としては使えない。はぐれ狼は《カーネル》で《シャッフ》を止めつつ、コストの違うブロッカーを用意。またもや《逆瀧》で延命するのみでターンを返してしまう。


しかし、それに屈する鬼羅スター、否、久保純一ではない。同じ手は喰らわんぞとばかりに、本日3度目の《ナギテラス》を召喚。持ってきたカードをそのまま唱える!

《T・T・T》!!
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2体の《バジリスク》に《カーネル》、ブロッカーは久保純一にひれ伏し、《鬼羅スター》ははぐれ狼の首に迫った。


《単騎連射 マグナム》を添えて!

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WINNER:久保純一!!!


改めて、はぐれ狼に押し付けられた光水自然バラギアラ-MAXを見てみよう。

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とりあえずどこから突っ込んだらいいか分からないが、《バラギアラ-MAX》を見たはぐれ狼はこう語る。


「やっていることは《ドルゲユキムラ》だからコンセプトは分かった。」f:id:jairo_j:20221005190713j:image

もはや5年以上前のクロニクルデッキのコンセプトを一瞬で理解している辺り、なかなかおじいちゃんである。


それに対して適切なメタを行えた久保純一は、そのクロニクルデッキの発売から3年近く水自然ドルゲーザを弄り続けてきた経歴を持つ。こちらもやはりおじいちゃんだ。


何より、こんな奇々怪々なデッキを押し付けた558はこう語る。

「2→4→6を意識するため、4の動きができるカードを8枚から減らしたくなかった。また、6の動きとしても運用できる《【聞け】》と《ウマキン》は合わせて5枚、《【聞け】》の方が多いのは《チェンジザ》から使って強いから、《バイケン》を強く使える《佐助》を3枚と厚くとった。《バラギアラ》はノータイムで埋められる自然単色のフィニッシャーとして優秀で………(尺の都合で割愛)」

ピン投2投が目立つリストの採用基準を1枚1枚丁寧に語る姿はもはやこのゲームに取り憑かれている。文句ナシにおじいちゃんだ。


ちなみに筆者はベストチャレンジャーデッキの《ハンドレッドバレル・ドラゴン》が初代切り札です。おじいちゃんです。

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こうして東横インCSもとい、仲良しおじいちゃんマスターズは幕を閉じた。

やっぱり楽しいぜ!デュエルマスターズ!!


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文責:ジャイロ

 

 

 

 

 

【第34回】CARDBOX横浜日吉本町CS決勝戦 青空海vsGarows


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8月も終わりかけだというのになんと暑いことか。外では未だにセミが大きな声で鳴いている。

そう、8月はセミの季節。水闇自然デッドダムドの季節だ。(所説あります)

10月のGPに向けて水闇自然デッドダムドを仕上げている青空海は、独自の改造を活かして決勝戦まで上がってきた。

対するGarowsは火単我我我で予選決勝を走り抜けてきた。予選順位は8位と低かったものの、気づけば決勝戦。ゴールまであと一歩だ。


ダムドvs火単速攻。2019年にダムドというデッキタイプが開発されてから、何度も行われてきた伝統の一戦ともいえるマッチアップ。早速見てみよう。


1本目

先攻:Garows

最初の手札でゲームプランを決めなければならないGarows。手札の《こたつむり》《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》《カンゴク入道》とにらめっこしながら、まずは《カンゴク入道》を召喚。シールドを手札に加え、ビッグアクションを狙う。

対する空海は2マナで《極楽鳥》を召喚。

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シールドをブレイクできない代わりに好きな色のマナを生み出すマナ・バード。その便利さと凶悪さから「鳥を見たら焼け」という言葉もこの世に存在するが、火単速攻が相手なら生きて返ってくると判断したようだ。


事実、その判断は正しく、Garowsは《テスタ》で空海の侵略を咎めるのみ。《カンゴク》でシールドを割ってターンを返す。

《極楽鳥》の生還を確認した空海はマナゾーンの3マナと《極楽鳥》をタップ、《虹速 ザ・ヴェルデ》を召喚。Garowsのリソース源でもある《カンゴク》を討ち取った。

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リソース源を制限され、貯めるプランを採りづらくなったGarows。《テスタ》→《我我我ガイアール・ブランド》で空海のシールドを削りにかかるも、《テスタ》の割ったシールドからGSの《若き大長老 アプル》が顔を出す。《我我我》の真価を発揮させることなく動きを封じ込めた。

空海は《オニカマス》《闇参謀グラン・ギニョール》と着々と盤面を伸ばしリソースを稼ぎ続ける。だが、急場を凌いだとはいえGarowsには《我我我》が控えている。空海に何か考えでもあるのだろうか。


その答えは次のターンで明らかになる。

Garowsはもう一度《テスタ》→《我我我》で今度こそ空海に届くまでの打点を形成した。前のターンで動きを止められた《我我我》が再び動き始めた。シールドをWブレイク!


なぜ青空海は先程のターンでGarowsのクリーチャーを処理しなかったのか。空海には算段があったのだ。そう、シールドで返す算段が!!

《終末の時計 ザ・クロック》!!!

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後でリストを確認したが、空海の水闇自然デッドダムドには火単の猛攻を捌ききれる強力なシールドトリガーが10枚も採用されていた。前のターンの意図が汲めたところでバトルゾーンに目をやると空海には攻撃を通せる《ギニョール》《クロック》《オニカマス》の3体のクリーチャーが控えている。対してGarowsは《カンゴク》の反動でシールドは残り三枚。《ギニョール》が、《クロック》が、《オニカマス》が、Garowsの3枚のシールドを割り切った。


その“鳥”は、強力な効果の代償でシールドをブレイクできないはずだった。その“鳥”はマナを生み出すことが仕事のはずだった。いま、Garowsを守るシールドは存在しない。《極楽鳥》はプレイヤー本体なら攻撃できる!虹色の鳥は生身のGarowsにトドメを刺した。


空海 1-0 Garows


「鳥を見たら焼け」。本来はデュエルマスターズの兄貴分であるマジックザギャザリングの言葉であるが、デュエルマスターズでも無視はできない言葉のようだ。

《カンゴク》を取った《ヴェルデ》、それを3ターン目に送り出したのは《極楽鳥》あってこそである。加えてダイレクトアタックの打点としての運用。鳥に始まり鳥に終わった1本目であった。


2本目

先攻:Garows

 

1ターン目から《ブンブン・チュリス》を召喚すると、2ターン目には《こたつむり》を召喚。

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すかさず《ブンブン》が空海のシールドを詰める。《クロック》がトリガーするも、元より攻撃手がいないのと《ブンブン》はアンタップされないのとで有効トリガーとは言い辛い。Garowsが上手く踏み抜いたと言える。


しかし、ここからが繋がらない。火単我我我の火力を担当するはずの《我我我》や《“罰怒”ブランド》、いわゆる上のクリーチャーが来ないのだ。それだけでもGarowsにとって十分厳しい戦いであるが、空海がマナチャージしたのは《SSS級天災 デッドダムド》。Garowsが地道に広げた小型獣も《ヴェルデ》+《ダムド》のパッケージで丁寧に破壊されてしまう。
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ここからは詰将棋だ。バトルゾーンにクリーチャーがいない。手札は2枚のみ。Garowsがマナチャージだけでターンを返したのを確認すると、《アプル》を2体展開し、次のターンに圧倒的な打点でGarowsを倒す算段をつけた。盤面を処理しきり、超過打点を3体並べる。余裕の展開である。

 

………しかし、そこに隙が生まれた。一瞬の隙をGarowsは見逃さない。

手札に抱えていたのは《斬斬人形コダマンマ GS》と《我我我ガイアール・ブランド》の2枚。まずは《コダマンマ》を送り出すと、《マンマ》が呼び込んだのは追加の《我我我》!!《我我我》は更なる《我我我》を纏い空海に襲い掛かった。

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Wブレイク。トリガーは……ない。

続く《我我我》のWブレイク。やはりトリガーは………ない。

空海の作り出した絶望的な状況。その一瞬の隙を通し、Garowsの《コダマンマ》がダイレクトアタックを決めた。


空海 1-1 Garows


本来の裁定だと、1回目の攻撃で《我我我》の破壊効果が2回分トリガーするため、上記の挙動は行えません。本記事では、当日実際に起きたことを尊重しテキストカバレージ化しました。

終戦までもつれた。泣いても笑っても最後の戦いである。暑い夏を制するのは空海の水闇自然デッドダムドかGarowsの火単我我我か。


3本目

先攻:空海


空海は《幻緑の双月》でマナを伸ばし、Garowsは《カンゴク》で手札を伸ばす。お互いがやりたいことを行った2ターン目。先に大きく動いたのは…


「1コスト《ブンブン》、2コスト《我我我》!!!」

Garowsであった。長引けばデッドダムドの土俵である。

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長考に長考を重ねたGarowsは《デッドダムド》が見えていない今こそ攻め時と判断したようだ。《カンゴク》の1点が通り、《我我我》が続く。


しかし、空海のダムドは受けが厚い。《我我我》の攻撃にトリガーしたのは《A・A・A》!

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Garowsにとって《カンゴク》が破壊されたのも痛いが、空海のマナが伸びてしまったのもいただけない。

空海のターン、2コスト《極楽鳥》、3コスト《デドダム》、更に3コストで《母なる星域》。呼び出されたのは…


《CRYMAX ジャオウガ》!!!

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《ブンブン》に攻撃しながら、《“罰怒”》と《こたつむり》をGarowsの手札から奪う。背景ストーリーでは全てを奪う鬼である《ジャオウガ》。実際の対戦でも反撃の目すら奪う。

全てを奪われたGarowsは何も動けない。《ジャオウガ》が残る3枚の盾を全て割り切り、夏の覇者が決定した。

WINNER:青空海!!!!

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夏はダムドの季節。何故か毎年訪れるこのジンクスは今年も例外なく訪れたようだ。

しかし、夏だからダムドが勝てたと簡単に結論付けるのは早計だ。


空海のダムドには、一般的なダムドにはない圧倒的な受けの厚さがある。

1戦目を決定づけた《終末の時計 ザ・クロック》に、3戦目の《A・A・A》。シールドからだけでなく、ムゲンクライムでも積極的に対戦に関わり続けた《闇参謀グラン・ギニョール》。決勝戦では活躍こそなかったが《テック団の波壊Go!》もあれば、《アプル》や《曲通風》などのGSなど、アグロ対面に取りこぼしの無い構築が特徴的だ。

また、《デドダム》《ダムド》《A・A・A》の3色基盤に加えて《極楽鳥》で序盤の動きに隙が無い。独自の構築が光ったといえる。


惜しくも準優勝であったGarows。構築こそ一般的な火単我我我であるが、メタ読みの妙が印象的である。直近のアグロデッキといえば火自然/火水のアポロヌスが思いつくが、雑な手札破壊に屈してしまうこともしばしば。対して火単は多少の手札破壊に屈することなく打点形成が可能だ。先攻3ターン目の押しつけプランも採れ、見た目以上に柔軟に戦える。

本大会でも、水闇自然ハンデスが台頭しているのを見切ったGarowsが読み勝ったといえるだろう。


超CSも4会場全て終わり、プレイヤー達は次の大舞台であるグランプリに挑む。構築、メタ読み、それぞれで勝ち抜いてきた両名に拍手を送りつつ、本記事を締めたい。


文責:ジャイロ

 

ミニ超ガチCS【決勝戦】 モノクマvsマイケル

全国大会、超CSと大型大会を暴れまわった《モモキングダム》と《モモキングJO》。恐らく、どんなカードよりもドラゴンをバトルゾーンに送り出したであろう《バトライ刃》。そんな彼らも先日の殿堂発表で姿を消した。


今から始まるのは、空席の玉座に誰が座るのかの大一番。波乱のアドバンス環境を乗り越えた猛者を紹介しよう。


マイケル(@Saizeriyaman)が使うのは旅路バーンメア。独自のチューンも光るが、その本質は一度走り出したら止まらない展開能力だ。《バーンメア》《カンちゃん》《ダンダルダ》《灰になるほどヒート》……瞬く間に手がつけられなくなる。更には《ジョリー・ザ・ジョニー Final》《勝熱と弾丸と自由の決断》という第二第三の弾も用意されている。

自他共に認めるプレイ速度を勢いに変えて走りきれるだろうか。


対するはモノクマ(@GANTZ66666)の火闇ドルマゲドン。登場こそ2017年と昔のデッキタイプだが、手を変え、品を変え、クロニクルな新規を大量に獲得して現環境に王手をかける。《ドルマゲドンX》についた4つの封印、それが全て剥がれたとき相手の盤面を全て消す禁断爆発という一撃必殺技も併せ持ち、隙のない受けデッキに仕上がったといえる。


お互い千葉のランキングを走るランカー同士。ミニ超ガチCSの決勝に相応しい顔ぶれだろう。早速みていこう。


1本目 先攻:モノクマ


お互いチャージのみで終える最初のターン。先に動いたのは先攻のモノクマであった。

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《Forbidden Sunrise》を展開し、次ターン以降から封印を剥がしていく構えをみせる。火闇ドルマゲドンの強化はクロニクルだけではない。ここ数年の強化は特に凄まじく、次ターンでもその片鱗をうかがえる。


勢いそのまま、モノクマが送り出したのは《霊刑連結 ジゴク・パルテノン》。
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《パルテノン》はマイケルの手札を蝕む。


後にマイケルは語る。

「最大3本のうち(決勝戦は2本先取制)、1回は2→3で《パルテノン》されるからそこは割りきる。動揺はなかった。」

予見していた状況に陥ったマイケル。焦ることなく《オラオラ・ジョーカーズ》で手札をキープしつつ、マナを伸ばしていく。


しかしその落ち着きを奪ったのはモノクマの《パルテノン》であった。いや、説明が不足していた、モノクマの"2体目の"《パルテノン》であった!

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2体の《パルテノン》はマイケルの動きを著しく制限する。《超GRチャージャー》から《全能ゼンノー》を送り出すのみでターンを返すマイケル。対してモノクマは《マッド・デーモン閣下》で3体目の《パルテノン》を用意し、《ドルマゲドンX》の封印も残り1つとする。


手札もない。バトルゾーンも《ゼンノー》のみ。《ドルマゲドンX》の封印は残り1つ。流石のマイケルも、2体の《パルテノン》による責め苦に手も足も出ない。


このまま2本目に突入するのか。いや、新環境という荒野を駆けるべく、マイケルの愛馬は駆けつけてくるのだ!

この土壇場で引いたのは…

《バーンメア・ザ・シルバー》!!

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後にマイケルは語る。

「ジョーカーズって凄いんですよ。こんなにカードパワー低いのに、集まればとんでもない動きをする。スイミーみたいなこいつらが好きですね。」


《バーンメア》から送り出されたのは《The ジョラゴン・ガンマスター》と《ジェイ-SHOCKER》の2体。惜しくもこれ以上続かないが、《SHOCKER》で《バーンメア》を手札に戻してコスト「6」を咎める。続く《ガンマスター》、《ゼンノー》!

群れを成したジョーカーズは、モノクマのシールド4枚を叩き割る。

しかし、モノクマもただやられている訳ではない。4枚のシールドのうち1枚は《最終龍覇 ボロフ》だったため、《銀河大剣 ガイハート》を装備して横に広げる。


4枚の封印が外れて誕生する《ドルマゲドンX》は、適切なタイミングでないとむしろ負け筋となりうる。かつての相棒《モルトNEXT》では、あえて禁断爆発させないという戦法すら採られていたほどだ。


しかし、令和の火闇ドルマゲドンにそのような隙は無い。禁断爆発したくなければ、させなければいいのだ。《ボロフ》の召喚は2ターン目に展開した《Forbidden Sunrise》の封印を剥がし、モノクマは以前として《ドルマゲドンX》のカウントを1でキープしている。


マイケルの猛攻をしのいだモノクマ。まずは《解罪 ジェ霊ニー》でマイケルの《バーンメア》を落とすと、《閣下》がマイケルに詰め寄る。

時空の狭間から《時空の禁断 レッドゾーンX》という侵略者となって!

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《SHOCKER》を破壊し、《ガンマスター》を討ち取る。続く《ボロフ》も同じく《レッドゾーンX》に侵略し、《ゼンノー》を破壊しながらマイケルのシールドに迫る。


マイケルは《7777777》をトリガーさせ「5」を選ぶも、《パルテノン》にはEXライフがあるためこのターンも手札を奪われる。

手札もバトルゾーンもない。前ターンと同様の厳しい展開である。

しかし、前ターンは愛馬《バーンメア》が駆けつけたように、切り札は光る場面で来るものなのである。


マイケルの渾身のドローは《キング・ザ・スロットン7/7777777》!!

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《スロットン》は追加のジョーカーズを呼べ、そのままモノクマに攻撃可能だ。先ほどトリガーした《7777777》で《パルテノン》のEXライフは無くなり、モノクマを守るシールドは1枚のみ。


《スロットン》から《スロットン》が捲られれば!後続を呼べる《バーンメア》でもいい。チャンスを作れる《旅路》や《グレープ・ダール》もゲームを決めうる。


………あくまでそれは《スロットン》を召喚できればの話。相次ぐ《パルテノン》の手札破壊により、切り札はあれど7マナ目として埋める手札が無かった。


マイケルは下面の《7777777》で今度こそ《パルテノン》本体を山札の下に追いやるが、モノクマは《ドルマゲドンX》ではない禁断を既に準備していた。


《終焉の覚醒者 レッドゾーンBSR》!!!

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手札を、バトルゾーンを刈り取られ、丸裸になってしまったマイケル。《ガイギンガ》を含め、そびえ立つ3体の大型クリーチャーに轟沈したのだった。


モノクマ 1-0 マイケル


火闇ドルマゲドンはあらゆるゾーンを操る。相手の手札、バトルゾーン、超次元ゾーンに超GRまで。全てを統べて、アドバンス環境という大海を乗りこなすのだ。


さて、本大会は予選7ラウンドに加え、本戦は2本先取。両プレイヤー共に10を優に越える勝負を終えていることになる。長い戦いを締めくくることになるかもしれない決勝戦2本目も追っていこう。


2本目 先攻:マイケル


後にマイケルは語る。

「3ターン目の《ダクマ》は人が◯ぬ!!」


2ターン目の《Forbidden Sunrise》、3ターン目は《鬼寄せの術》からの《悪魔龍 ダークマスターズ》。

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流れるようなピーピング3ハンデスを決め、ゲームの主導権を握るモノクマ


マイケルは残った唯一の手札である《勝熱と弾丸と自由の決断》を唱え、《Forbidden Sunrise》をモノクマの山札下に返す。更に、続くターンでマイケル隠し球《ホアート・サケビーJr.》で《ダークマスターズ》を破壊するも、ここでマイケルの手札が尽きた。

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その間モノクマは、《閣下》による後続の確保、《ボロフ》の《ガイハート》装備と準備はできている。

SAとなった《ボロフ》がシールドへ。続く《閣下》は《レッドゾーンX》として更にシールドへ。

龍解条件を満たした《ガイハート》、もとい《ガイギンガ》がマイケルの最後2枚のシールドを叩き割る。

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このまま為す術なくやられてしまうのか。スイミーは所詮小魚なのか。

否、スイミーは群れを成しアドバンス環境という大海を泳ぐ。やがてそれは大きな波を呼ぶ!その場にいた観客、ジャッジ、筆者すらも飲み込む程の大波を!


《SMAPON》2体のシールドトリガー!!

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手札はある。マナもある。バトルゾーンには《SMAPON》が2体いる。

《超GRチャージャー》から《SHOCKER》を呼び、残る6マナで《バーンメア・ザ・シルバー》!

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《ダンダルダ》と《ガンマスター》を超GRからスピードアタッカーとして呼び出す。先ほどの2体の《SMAPAN》に加え、モノクマには《鬼寄せの術》の代償がある。そう、ゲームを決めうるだけのジョーカーズがマイケルの元にあるのだ!しっかり打点を数え攻撃態勢を整えるマイケル。《ダンダルダ》の攻撃時に《バーンメア》をJトルネードし、《勝熱と弾丸と自由の決断》を唱えると《SHOCKER》を攻撃可能に!マイケルは更なる打点を追加する!!合計5体のクリーチャーがモノクマを襲おうとしていた……!!!

 


後にモノクマは語る。

「このゲーム中、最初の手札から見えないようにずっと温存していました。このデッキの強みは…やっぱりこれなので。」


ニンジャ・ストライク4、《終断χ ベガスランチャー》!!!

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最後の封印が外れ、顕現した《終焉の禁断 ドルマゲドンX》。

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その名の通り、《ドルマゲドンX》は本大会を終焉に導く。マイケルは攻め手の一切を失い、敗けを認めたのだった。

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WINNER:モノクマ!!!


8月発売のクロニクルデッキによる強化を活かし、ミニ超ガチCSを制したのはモノクマの火闇ドルマゲドン。クロニクル以外の強化も120%活かしきり、序盤中盤終盤、一切の隙が無かった。納得の優勝だろう。


近く、アドバンス構築の超大型大会グランプリ2022も控えている。プレイヤーもデッキタイプも、これからも両雄の活躍に期待したい。


文責:ジャイロ

劇場版 少女歌劇 レヴュースタァライト雑記  

好きか嫌いかの二元論で語るなら、おそらく「嫌い」の部類である。

あくまで持論だが、映画は誰にでも判りやすくカタルシスを得られ、スッキリして帰るものであると思っているからだ。

その点のみで語るのであれば、少なくとも本作はそれに当てはまらない。それでもなお、こうして筆をとっているのは持論を覆すほど自分を動かす何かがあるからだ。


ただの興奮映画?

一日かけてテレビ版をイッキ観した。再生産についてなど、初見じゃ判らない部分は多々あれど、概ね楽しめた。5話、5話がいいよね。『恋の魔球』いいよね。わかります。


んで、映画を観たのだが、「判らない」が率直な感想だった。話の流れが「判らない」。大場ななが暴れるだけだったあのレヴューってなに?そもそも舞台少女ってなに?舞台ってなに?トマトってなに?急な過去回想ってなに?ダイナゼノンの番組タイトルかよってぐらい頭のなかが?マークで渦巻く。「判らない」。


なのにあの興奮はなんだ。急にマッドマックス始まったけど、興奮していた自分がいる。レヴューがそもそも判らないけど、どのレヴューにも興奮していた自分がいる。上手く言語化できなかった。やっぱりこの映画の評価は「判らない」なのだ。


咀嚼

テレビ版、劇場版と一通り観終えて得た感想は「判らない」。もちろんそれで終わっても良かった。だが、タイムラインを観るとそれで終わるには勿体ないコンテンツであると感じる。あそこまで情緒を狂わせる作品なのか。まだその境地にたどり着けていない。「判らない」で片付けられるほど理解する努力をしていない。幸いにも時間はある。


イッキ観したテレビ版を改めて1話から観賞すると、見える世界が違った。本編の輪郭を掴んでいるからこそ、会話のちょっとした間に心震えた。スタァライトの台詞の意味を知った。噛んで、噛みしめて、味わって、テレビ版の凄みを知る。


ふと気付いた真理。テレビ版に2回目の感動があった。同じことは劇場版でも言えるんじゃないのか。自分はまだ、輪郭を掴んだだけ。否、掴みきれてすらいない。噛めていない、噛みしめなければ、味わわなければ。知る努力をまだしていない。


先人達の知恵を借りる

便利な世の中なもので、作品の感想をすぐに観ることができる世界だ。鍛えられたオタク達の細やかな考察、自分よりも深い理解が可能な方達の知恵、何よりも監督のインタビュー記事。多くの情報が劇場版を咀嚼するための準備になる。電車にそんな意味が。大場ななの立ち回りの意図。トマト。レヴュー。舞台。過去回想。今、自分は、改めて、劇場版レヴュースタァライトという果実を口に含むことができた。


噛みしめろ、自分。


再生産 劇場版レヴュースタァライト

「判らない」と断じていた自分が恥ずかしい。判る努力をしていなかった。なんて丁寧な作品だろうか。語らないからこそ、噛みしめることのできる余地。そう、余地である。噛みしめる余裕がこの物語に凄みを産んでいるんじゃないだろうか。咀嚼して、噛みしめて、噛みちぎって、得たこの果実の味は…ひどく甘美であった。判る努力を怠らなくて良かった。良かった。良かった。


良かった…?いや、確かに良かった。ここに一点の曇りはない。曇りはない。が……

悔しい。とても悔しい。このコンテンツを3年かけて咀嚼できた人はどれだけ味わえただろうか。タイムラインで毎週追えていたらどれだけ幸せだろうか。その感動はもう味わえない。ただ、全うに、至極、悔しい。キレイに纏められない。本当に、悔しい。


とまぁ、かなり遅れて入ったコンテンツなので、そんなの当たり前なわけで。それこそ「今」知らないことが他人の解釈に溢れている。「まだ」知らないことが劇場版に潜んでいる。後発の自分は悔しがる以上に、知る努力をしたい。それができるのも後発の利点(?)であるわけで。

 

オタク語りつらつらと

まとまらないので、もっと纏まらないことを下に書き足して対比的に上の文章をまとまっているっぽく見せようのコーナー。


露崎まひる

露崎まひるちゃんが好きです。それは、もう。『恋の魔球』の歌詞を見るとね。

「ねえ 私だけを見ててよ ほら小さな光なんて 真昼になれば 消えてしまう」

あ~~~~!!!!吐きそう。あっ、おっ、


そんなまひるちゃんが!映画で、映画!はい。


ポジションゼロ

自分は劇中でゴールテープの役割を感じていて。ポジションゼロに立つことで勝利=ゴールテープを切る、みたいな。実際ゴールテープのすぐ先にポジションゼロは隣り合ってましたしね。(劇場版)

ポジションゼロを付けない演出=ゴールテープを切れない。(劇場版)

華恋がポジションゼロになっちゃったのも、ひかりとスタァライトを演じてしまったことでゴールテープを切ってしまったのかなって。あくまで自分の考え方ですけどね。


約束

ここが判らない。マジで判らない。

劇場版では滑り台の下で電話しない、手紙だけの約束をしたんですけど、テレビ版は滑り台の上でやってるんですよ。なんで?見間違いかしら?ここ、なんで変えたんだろう。パラレルの説出てきている?んな訳ねえよな。マジで、ここが、本当に、わっかんねぇ。


なんだか、強いお酒を飲んだみたい。

なんだか、強いお酒を飲んだみたい。

なんだか、強いお酒を飲んだみたい。

眠いってことです。寝ます。

 

 

第60回竜のしっぽCS(オリジナル)【決勝戦】 ハルキちわvsRuby

※この対戦は両プレイヤーの寛大な許しのもと記事にしています

 

緊急事態宣言も開け、関西にも遅めの王来編環境がやってきた。やはり赤単の多さには目を見張るものがある。《我我我ガイアール・ブランド》から展開される圧倒的スピードとその安定性は今までの速攻を圧倒している。

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そんな激戦区を駆け抜けたのは、赤単を喰らってきた者達。Ruby(@Rubiestdm)の使う赤白ドギラゴン閃とハルキちわ(@asunaro20Haruki)の使うチェンジザ覇道だ。ドギラゴンvsチェンジザ覇道と聞くと、双極編大好きな筆者はそれはそれはワクワクしてしまう。令和の世の中でまた見ることができるとは。さっそく対戦を見てみよう。


※この対戦は両プレイヤーの寛大な許しのもと記事にしています


先行:Ruby


令和のドギラゴンは攻めだけでない。後ろに構えても強いのが《蒼き守護神 ドギラゴン閃》のウリだ。《チャラ・ルピア》、《奇石 ミクセル》と盤面を整えていくRuby


しかし、ハルキちわも黙って見ているわけはない。《フェアリー・ライフ》→《バングリッドX7》という2→4の動きで《ミクセル》を破壊しつつマナを伸ばす。
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先にビッグアクションを起こしたのはRuby。《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》から《ドギラゴン閃》に革命チェンジ、《U・S・A・NNYAA》で後続を揃えながらハルキちわの《バングリッドX7》を討ち取る。


手札と盤面を伸ばすRubyハルキちわは《龍装艦 チェンジザ》から《六奇怪の四 ~土を割る逆瀧~》で延命の1ターンを貰う。対するRubyは攻め時でないと判断。《大爆龍 ダイナボルト》を建ててハルキちわにターンを渡す。f:id:jairo_j:20210629075031j:image

ハルキちわが目指すのは《“必駆”蛮触礼亞》+《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》の黄金パッケージ。しかし、《ウマキン☆プロジェクト》のバズレンダ、《チェンジザ》の攻撃時2ドローと探しに行くが発射口となる《“必駆”蛮触礼亞》が見つからない。ハルキちわは《逆瀧》で更なる延命をするが《チェンジザ》は《ドギラゴン閃》にブロックされ、リソース源を失う。


Rubyは4枚目の《チェンジザ》、もとい《逆瀧》をハルキちわの公開領域から確認すると、《“龍装”チュリス》を建ててターンエンド。「次はない」という警告の証だ。


《逆瀧》を使いきり、《チェンジザ》も失った。ハルキちわがターンを凌ぐには、まだ見ぬシールドトリガーにかける他無い。

ならば、ターンを返さなければいい。ハルキちわにはそれが可能だ。


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「B・A・D《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》!」


先刻の《ウマキン》は《“必駆”蛮触礼亞》こそ持ってこなかったが、《覇道》が自力で走るだけの8コストまでマナを伸ばしていた。


ハルキちわのEXターン、続いてコールしたのは《勝熱英雄 モモキング》!Rubyの盾に攻める。

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……


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………


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…………

 

Ruby の 《ドギラゴン閃》 は ブロッカー だった!!!

(誰の《ドギラゴン閃》もブロッカーです。)

 

勢いよくタップされた《モモキング》は《ドギラゴン閃》に咎められ、墓地に送られる。
叫びながらターンを返すハルキちわハルキちわRubyは普段見知った仲だったこともありノリは完全にフリープレイのそれ。まさかこの試合にCS優勝がかかっているとは誰も想像できない。


しかし筆者は気付かされた。デュエルマスターズは競技の側面も併せ持つホビー、つまりは趣味であることを。趣味を笑って楽しむ両名を止める権利など、例えジャッジであっても持ち合わせていないのだ。今は決勝戦を純粋に楽しむRubyハルキちわの2人を見守ろうではないか。


さて、シーソーは打って変わってRubyに傾く。千載一遇のチャンスを掴んだRubyは《チャラ・ルピア》《大爆龍 ダイナボルト》と召喚し、隠し玉の《我我我ガイアール・ブランド》まで広げて脅威の21打点を形成。

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対するハルキちわのシールドは万全の5枚。攻撃順を考えるRuby

不測の事態を考慮した上でRubyの脳内CPUがハジき出した結論は……

「踏まなければ勝てる!」


《ドギラゴン閃》のTブレイクを受けて、ハルキちわは勢いよく1枚のカードを叩きつけた!

「《終末の時計 ザ・クロック》!!!」

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「今度こそブロッカーいないよな?」

同じ轍を踏むまいと盤面を確認。《勝熱英雄 モモキング》を走らせて、Rubyにダイレクトアタックを決めた。


勝者:ハルキちわ


令和のドギラゴンvsチェンジザ覇道はハルキちわ操るチェンジザ覇道の勝利で幕を閉じた。後で知ったが、ハルキちわは予選5回戦を全てvsドギラゴン閃で全勝している。そこには覆せない相性差があるのだろうか。


???「いや、決勝戦はドギラゴンが勝てた。」

筆者「あ、貴方は…!!」

 

彼の名は右(@migi0718)Rubyが使っていた赤白ドギラゴン閃デッキの製作者だ。ここからは、製作者であるの解説のもと決勝戦を振り返りたい。


「まず5ターン目、ハルキちわの《チェンジザ》を破壊できましたね。」

5ターン目…時を戻そう。

対するRubyは攻め時でないと判断。《大爆龍 ダイナボルト》を建ててハルキちわにターンを渡す。


筆者ハルキちわの《チェンジザ》から《逆瀧》を打たれて足踏みしたターンですね。」


「あそこは《ダイナボルト》を建てて、そのまま《我我我ガイアール・ブランド》に進化させるべきです。」


筆者「《ダイナボルト》を進化……??あっ!」


「《ダイナボルト》のシンカパワーで《チェンジザ》とバトルすれば、少なくとも次のターンに《触礼亞》で走られる危険は無かったし、《ウマキン》を出されることも無かった。となればそもそも《覇道》まで届かないですよね。」


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盲点だった。2回攻撃ばかりに目が行きがちな《大爆龍 ダイナボルト》だが、シンカパワーによって強制バトルが可能なのだ。


筆者「でも《我我我》に進化してしまうと、強制アタックになってしまう裏目もありませんか?」


「《逆瀧》を打たれている状況だったので、《チャラ》で適当に1点いれればデメリットも最大限消せるんですよ。」


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岡目八目などという言葉もあるが、ここまで的確な答えを導き出せるとは。


筆者「確かにそのプレイができていれば勝敗は分からなかったですね。」


「まだありますよ。Rubyの最後のターン思い出せますか?」


時を戻そう。

千載一遇のチャンスを掴んだRubyは《チャラ・ルピア》《大爆龍 ダイナボルト》と召喚し、隠し玉の《我我我ガイアール・ブランド》まで広げて脅威の21打点を形成。


「4ターン目に《ドギラゴン閃》が走ったとき、チェンジ元だった《ワルキューレ》があるじゃないですか。」

先にビッグアクションを起こしたのはRuby。《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》から《ドギラゴン閃》に革命チェンジ……

「《我我我》で打点作る前に《ワルキューレ》立てたら、ブロッカー作りながら詰めに行けるので《クロック》は越えられるんですよね。」

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筆者「確かに場には《“龍装”チュリス》や《ダイナボルト》といったドラゴンがいましたね。それらがブロッカーになれば《モモキング》が2回殴ってきても凌げたのか…」

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「一応《我我我》で打点作るのも間違いではないので、ここはあくまで結果論ですかね。」


筆者「ここは…?」


Rubyの攻撃なんですけど。」


筆者「確か、《ドギラゴン閃》で《クロック》踏んじゃったんですよね。」


「そもそもブロッカーの《ドギラゴン閃》は殴っちゃダメですね。」


あ。

 

 

 

と、実に色々なことがあったがイベントそのものは無事に終わることができた。

久しぶりのCS、ドギラゴンvsチェンジザ覇道が見られたことも、製作者様からプレイ指南をいただけたことも素敵な経験である。

何より、デュエルマスターズは楽しむものであると再度認識させられた。楽しむプレイヤーを見ることができたことが一番の経験にも思えた。

関係者各位に御礼をすると共に、この記事を〆たい。

※この対戦は両プレイヤーの寛大な許しのもと記事にしています

 

 

記事:ジャイロ

アニメデュエマについて思うところ。

どうもー大阪でまったりデュエマやってます、ジャイロです。

皆さんは日曜日の朝8:30は何をしていますか?プリキュアを見ている人が多いでしょうが、テレ朝の裏、テレビ東京系列ではアニメデュエル・マスターズ キング』が絶賛放送中です。


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DS編になってからCGアニメじゃなくなり、30分しっかり放送中です。このスタイルになってからかれこれ7年目ですか?時間の流れは早いものですね。

円盤化されないことで有名なので軽率に人にオススメできないのが残念ですが、中でも双極編の1年は最高に面白いので機会がありましたら是非。こちらから当時のキモオタ語りも見られますよ。

デュエマアニメのここが良かった - jairo_jの日記

 

さて、本題は2020年4月から始まったデュエル・マスターズ キング』です。十王編に入り、ストーリーも心機一転。誰でも見易くなりました。前年までの設定を知らなくても楽しめます。

 

 

ストーリー

舞台は川越。ライバルキャラの鬼札アバクによって開催された最強のデュエリストを決める大会、キングオブデュエマッチに挑む切札ジョー達。新たに得たレインボーの力とキングマスターカードの力で、1次予選、2次予選を突破していく。

 

ここが良いぞ

CGがひたすらに豪華です。OP、ED、アイキャッチ、何よりバトルシーン、クリーチャー同士の戦いは見ごたえがあります。

前年まではドラゴンを極力出さないストーリー設定だったのですが、今年はたくさんドラゴンが出てくるので更にアクションシーンが映えます。特に、パワー50000の巨体、《大樹王 ギガンディダノス》《勝熱英雄 モモキング》が刀を振りかざすアクションは個人的ベストバウトです。

 

もちろん、《鬼ヶ覇王 ジャオウガ》《月と破壊と魔王と天使》のようなドラゴンではないクリーチャーもハチャメチャにカッコいいので必見です。

 

ここが悪いぞ

ごめんなさい、長いです。最初に断っておくと、ここを書きたいがためにこの記事を書いているまであります。お気持ち文みたいなテイストなので、合わない人には合わないと思います。一意見として暖かい目でみていただければ幸いです。

 

消えた設定

前年までの設定を知らなくても楽しめます」と書きました。本意は、「前年までの設定が消えている」からです。例えば、ジョーの親友でありライバルであり幼なじみであるキラ君がいます。ジョーの1つ年上だったのですが、『デュエル・マスターズ キング』では同じクラスで机を並べています。時間の概念ねじ曲がってんのか??

ジョーのデッキケースのデッキー、彼の目的はジョーをデュエルマスターにすることでした。前年までさまざまな暗躍があったのですが、今作ではただのツッコミ役です。クリーチャーを生み出すという舞台装置でもあったのですが、いまやツッコミをいれている回数の方が多いです。

 

デュエマパートが短い

回によって異なるのですが、前年に比べて短くなっているように感じます。アイキャッチに入る前には、自然な流れでデュエマが始まっていたのですが今作はなかなか始まらない。どころか、2週間に延びることもしばしば。2週に延びると、1週目の後半~2週目の前半でデュエマをするのですが、2週目の後半が余るんですよ。

重めのストーリーを入れるには丁度よいのですが、(キラとの和解シーンとかゼーロとの決別のシーンとか)物語中盤の中ボスとのデュエマでやるとちょっと中弛みしちゃうかなと。

代わりに増えたのはギャグパート。好みによるので一概にどうとは言えないのですが、ぜーんぶ説明するツッコミは見ていて少し寒いかなって。まぁ、ここは小学生向けのアニメなので仕方ない部分なのかな。

 

敵キャラの魅力が弱い

魅力的な主人公は魅力的な敵キャラから。仮面ライダーセイバーがいまいち盛り上がらないのは敵キャラの魅力が弱いからだと思うのですが、この話はまた長くなってしまうのでいったんここまで。

物語が常に進んでいくと、1話見逃すだけでついていけなくなります。基本的に1話完結のデュエル・マスターズにおいて、話に直接的には関係のない敵キャラとのデュエマは必須です。

ジョー達の強さを引き立てつつ、新カードも紹介して、それなりに強い盤面を作れる様な魅力的な敵キャラ。単発登場だとキャラは弱くなってしまいます。いきなり、「さすがスマイル王国のスマイル王子だ!強いぜ!」って赤白GRビート使っていても魅力的かと言われるとうーん……。

34話に出てきたデュエマの時だけラッキーになるアン・ラッキー君が《ミステリー・キューブ》から《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》を使うのはキャラが立っていて良かったのですが。

ぽっと出じゃなく、何度負けてもへこたれない、意志の一貫した魅力的な敵キャラが必要なんです。

ウサギ団を出せば良かったのでは????

ウサギ団の面白コンボデッキ好きだったなぁ…カバマロってなんだったんだろう。あの3人が勝つ回があっても良かったなぁ。なんでクビにした??

ちなみに、魔進戦隊キラメイジャーは味方も敵も魅力的なので是非。

 

キングオブデュエマッチとは

キングオブデュエマッチは、今作の舞台装置。デュエマに勝つと魂ポイントが貰えます。負けると減ります。一定以上貯めると2次予選に進めます。

2次予選は総当たり戦で、サイキ、コウキ、チョウキという敵幹部3人が勝率高めという情報が出ています。

話は戻って魂ポイントについて、基本的にデュエマに勝つと貰える魂ポイントですが、その魂ポイント上位3名はラジアータ松、ジェフェリー松、ポッテロー松という3兄弟です。ちなみに35話にしか出てきません。

 

分かりにくいと思うのでもう一回書きますね。

2次予選の上位はサイキ、コウキ、チョウキで、デュエマに勝つともらえる魂ポイントの上位はラジアータ松、ジェフェリー松、ポッテロー松です。松三兄弟は1話しか出ていません。

何が起きているんですかね?よくわかりません。

 

主人公のジョーは、アバクに負けるまで2次予選全勝ですが、34話では2次予選抜けの最下位争いをしています。これには理由があって、ジョーが魂ポイントで《キャンベロ》の餌や《モンキッド》のバナナ、《ケントナーク》の飛行機を買ったりしたなどの無駄遣いをしたからです。あとは、32話でコウキに狙撃されたので魂ポイントが減っています。もう何がなにやら。

つまるところ、2次予選抜けは勝利数じゃなくて、魂ポイントなんですよ。新登場の松三兄弟が魂ポイントトップなのに、メインキャラの方が勝率高いし実力も上という認識なんですね。もう何がなにやら(2回目)。

 

因みにポイント5倍デーがあります。魂ポイント詐欺もあります。上のに比べるとまだまともですが、舞台装置としてはガバガバです。

 

ストーリーが薄い

ここにつきるんすよ。さっきまでの総まとめみたいな感じになっちゃうんですけど。

前年までの設定が無視されているから、余計にストーリーの薄さが気になる。デュエマパートが短いから、ギャグばかりが目立つからストーリーが薄く感じる。敵キャラの魅力が弱いからストーリーが薄く感じる。キングオブデュエマッチという舞台装置がガバガバだからストーリーの薄さが気になる。

前年まで、デュエマの背景ストーリーにリンクしてやっていたので、フレーバーテキストを読んで楽しんでいた部分もあったのですが、今作はそれもなく。

クリーチャーを産み出すことのできる主人公ジョー。常に欲望に忠実です。違う、でした。今作は変なノリと勢いで作ったり作らなかったりしています。作らないことの方が多いです。舞台装置としてのデッキーは完全に死んでいます。

自然文明の女王を若くして継ぐことになったももちゃんは出番が無いことに怒るというメタっぷり。今作の途中でデュエマを覚えたシーンはありましたが、なぜか最新話でキングオブデュエマッチに混じっているし。参加してすらなかったろうに。

まっすぐ過ぎる正義に生きてきたキラは馬鹿正直なギャグキャラに。デッキ狩りと称した道場破りをしていた、強さに生きるボルツはいまや負け犬扱い。兄弟の確執を越えて一回り成長したキャップは何も考えていない能天気に。キャラが死んでいるんですよね。

3年間苦楽を共にしたジョーカーズ達も出番に差が出ています。《タイク・タイソンズ》《カメライフ》《ふでがき師匠》は続投。ジョーカーズの要だった《ヤッタレマン》《パーリ騎士》、今までたくさんのピンチを救ってきた《バイナラドア》はクビです。「そのあと~」の効果がナーフされたからじゃないです。チーム切札(火/自然文明)と相性が悪いからです。仕方ないとはいえ、「パンパカパーン」「パーーッッリッ」「ほな、バイナラ」が聞こえないと物寂しさが募ります。

 

さいごに

まぁ色々と書きなぐりましたが、それでも毎週観ているのは事実でして。コロナ渦で収録ができず、5話以降の放送日程のズレなどを乗り越えて今があることは嬉しく思います。

面白い、アツいシーンは無いわけではないですし。最近だと、《モモダチ キャンベロ》《スパダチ キャンベロR》にパワーアップするにあたって「自分でも戦えるようになるんだキャン!」って言ったシーン。SA付与能力から自身がSAになっているのアツかったです。

《勝熱百覇 モモキングReVo》の能力がモモダチ3匹を回収したシーンはカードデザインも相まって演出が激アツでしたね。

さっきも書きましたが、普段はアンラッキーのアン・ラッキー君がデュエマの時だけラッキーになってキューブ捲っているのは見ていて楽しかったですし、殿堂解除されたばかりの《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》を使っているのも販促的に大正解。

最新話のボルツ復活回も良かったですね。《超救命主 タイヨー》の能力がフルに活かされていたデュエマは見ていて迫力でしたし。最近のお話は当たり回が多い印象。

まぁ、なんだかんだで楽しんでいるんですわ。年の瀬ですし、思ったことはぶちまけて清算しておかきゃなぁって勝手に思った次第です。

来週から新展開みたいですし楽しみなのは事実なんすよね。

 

今回はこの辺で。来年もよろしければブログをお願いします。ではでは(*・ω・)ノ~