【第2回】東横インCS オンライン

(本記事は友人間のフリプをカバレージ化したものです。)

オンライン対戦なので東横インではないのだが、今更なのでツッコまないでほしい。


この決闘ではお互いに何かを賭けることができる。久保純一は酒代を、はぐれ狼は食事代をテーブルに乗せた。
「これより双方の合意のもと、決闘を執り行う。立会人はジャッジが務める。決闘方法は1対1のマッチ戦。」
「勝敗はダイレクトアタックをすることで決するものとする。」


「勝敗はデッキの性能のみで決まらず、決闘者の引きのみで決まらず。」

「ただ、結果のみが真実。」


「決心、解放(フィックス・リリース)!」


1本目 先攻:久保純一

久保純一がマナチャージのみでターンを終える中、後攻のはぐれ狼が《NEXの手甲》を展開する。はぐれ狼のマナから推測するに、使用デッキは火単ボルシャック。誰もが知る”本物”のデッキである。

対する久保純一は火自然のスター進化デッキ。2コスト以下のタマシードを展開し辛い状況だが、《ルピア炎鬼の封》で次のビッグアクションに備える。


なんとしても《ルピア炎鬼の封》を除去したかったはぐれ狼だが、《ルピア炎鬼の封》は3コストと《NEXの手甲》の射程外だ。《コッコ・ルピアGS》で次の動きに繋げるのみで、久保純一にターンを渡してしまう。


勝負の4ターン目。《ルピア炎鬼の封》を《邪王来混沌三眼鬼》にスター進化!

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攻撃時の能力で山札の下から《紫電の炎霊》と《トテントン〈ベア子.Star〉》を踏み倒すと攻防一体の構え!《紫電の炎霊》のシンカパワーで《トテントン〈ベア子.Star〉》は攻撃後に起き上がり、はぐれ狼のシールドを全て奪い去った。


次のターンにはダイレクトアタックは免れない。はぐれ狼も攻勢に出た。《アニー・ルピア》と《ボルシャック・バラフィオル》をそれぞれ召喚するとシビルカウントを達成。《ボルシャック・バラフィオル》で《トテントン〈ベア子.Star〉》に切ってかかる。《アニー・ルピア》の効果でアンタップし、自身の攻撃時の踏み倒し能力によって《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を呼び込んだ!


しかし、「攻撃時の踏み倒し能力」を持つのは《ボルシャック・バラフィオル》だけでない。そのターン最初の攻撃なら、たとえ相手の攻撃であっても《邪王来混沌三眼鬼》の能力は発動する!しかも、久保純一はデッキの下を《紫電の炎霊》で固定済みだ。


《バイナラドアの心絵》でアンタップされた《ボルシャック・バラフィオル》はマナに封じこまれ、その上には《ズンドコ・モモキング》がスター進化した。


アンタップ状態の《ズンドコ・モモキング》を除去する術のないはぐれ狼は、次のターンにダイレクトアタックを受け入れた。


久保純一 1-0 はぐれ狼


1本目を終えて、対戦準備中にはぐれ狼から質問が来る。

はぐれ狼「2本目以降って負け先……いや、雑魚先ですか?」(※先行の意)

ジャッジ「はい、負けた方が先攻です。」


わざわざ言い直してまで、はぐれ狼が「雑魚先」という単語にこだわった。それは雑魚という不名誉な称号を久保純一に貼り返すため。このままで終わるわけにはいかない。まだ”本物”を魅せられていない。


2本目 先攻:はぐれ狼

《マルルの炎杖》に《ボルシャック・フォース・ドラゴン》と火文明のタマシードを貯めるはぐれ狼。対して久保純一は《ジャスミンの地版》を3連打、瞬く間に6マナまで伸ばした。


物量で攻める久保純一に対し、単体の性能で差をつけるはぐれ狼。《ボルシャック・バラフィオル》を揃え、次のターンからクリーチャーとして解放する構えをとる。除去の難しいタマシード状態をキープしつつ、ターンを渡した。


次のターンには走り出す盤面を前に、黙ってやられる訳にはいかない。久保純一は《ルピア炎鬼の封》に《邪王来混沌三眼鬼》という伝家の宝刀を持ち出すと、攻撃時に《EVE‐鬼MAX》を踏み倒す。が、はぐれ狼の盤面にはタマシードしかなく、《EVE‐鬼MAX》の効果も十全に活かせない。さらに《邪王来混沌三眼鬼》が踏んだはぐれ狼の盾からは《コッコ・ルピアGS》に《ボルシャック・テイル・ドラゴン》とほぼほぼ100点の回答が返ってきた。


はぐれ狼の場には4枚の火文明のカード、マナは5。ここまで来ると聡明な読者の皆はお気づきだろう。なに?知らないだと?貴様知らないのか?ボルシャックこそが”本物”だ!!


《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》!!!f:id:jairo_j:20230212203500j:image

どちらのシビルカウントも達成済みの暴竜爵を止めるものはいない。無防備な《邪王来混沌三眼鬼》に殴りかかる《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》。《ボルシャック・バラフィオル》の能力で《コッコ・ルピアGS》が盤面に追加される。


暴竜爵は止まらない。続く攻撃に対し、久保純一はシールドから《バイナラドアの心絵》でなんとか《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》を除去するもはぐれ狼の広がり切った盤面には有効打とは言い難い。


《ボルシャック・バラフィオル》が、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》が、《ボルシャック・テイル・ドラゴン》が!”ボルシャック”こそが本物だと言わんばかりの連続攻撃で、久保純一を仕留めた。


久保純一 1-1 はぐれ狼


はぐれ狼「雑魚先どうぞ!」


お互いに自身の強みを魅せられた2戦。

最後に勝つのは意趣返しを成功させたはぐれ狼か、先攻の利を活かせる久保純一か。


3本目 先攻:久保純一

後攻2ターン目、はぐれ狼が《マルルの炎杖》を場に出すと、先攻3ターン目、久保純一は《ルピア炎鬼の封》で足元を固める。1本目でも見た展開ではあるが、はぐれ狼の序盤の除去手段である《NEXの手甲》は3コストの《ルピア炎鬼の封》に届かない。


ここからは1本目と同じ展開が繰り返される。《ヘルコプ太の心絵》で《邪王来混沌三眼鬼》をサーチするとすぐにスター進化。攻撃時に《EVE‐鬼MAX》と《紫電の炎霊》を呼び出し、《EVE‐鬼MAX》と合わせてはぐれ狼のシールドを1枚まで削り切った。


クリーチャーの展開をすれば、タマシードと共に《EVE‐鬼MAX》で刈り取られる。仮にスピードアタッカー持ちを召喚できたとしても、《紫電の炎霊》で固定された山札の下から《邪王来混沌三眼鬼》で反撃を喰らう。絶体絶命の最中、はぐれ狼が取った行動は…。


はぐれ狼「《ボルシャック・バラフィオル》を出します。」


次のターンに懸ける事であった。残るシールドは1枚。そこに起死回生の1手があると信じて!


久保純一は《ナミノリ童子 <サーフ.鬼>》を新たに送り込むと、最大の火力をもって勝負を決めに行く。《ナミノリ童子 <サーフ.鬼>》がはぐれ狼の最後のシールドを叩き割った瞬間!火単のデッキは白く輝き始めた。


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《スーパー・スパーク》!!!!


天空を照らすまばゆき光。しかも最後のシールドで!人、それを奇跡と呼ぶ!

過剰な打点も全てタップ状態、久保純一は攻撃手段を失う。はぐれ狼の反撃の狼煙が立ち上がる!!


……はずだった。

状況を確認しよう。直前の久保純一のターン、《ナミノリ童子 <サーフ.鬼>》を召喚して攻撃に移行した。では、《ナミノリ童子 <サーフ.鬼>》の進化元は?このゲーム中に出てきた進化元は?もしそれがシンカパワーを持っていれば?それがこの状況を打開する一手だとしたら?


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紫電の炎霊》!!

神速の二段切りは令和の今も健在であった。《ナミノリ童子 <サーフ.鬼>》は攻撃の後起き上がり、守る盾の無いはぐれ狼への攻撃を決めた。


勝者:久保純一!!!


火自然のスター進化という、なかなか他ではみないデッキではあるが、《ヘルコプ太の心絵》や《紫電の炎霊》というサーチ札兼ボトム固定が《邪王来混沌三眼鬼》の出力を最大まで担保する。終盤の《スパーク》ケアと十全にデッキを使い切った久保純一に賞賛を送りたい。


…あと、後日はぐれ狼からお酒も贈られるだろう。


あとがき

紫電の炎霊》良いですよね。とても良いです。アーマード・ドラゴン/サムライなのも、シンカパワーで原作再現してるのも、進化先を自身で持ってこられるのも噛みあっていて好きなデザインです。


次弾のデザインも、色々な闇の戦略をパワーアップしている感じがとても好みのデザインです。巷では、《絶望神 サガ》で持ちきりですが、サガ環境がどうなるのか、楽しみではないと言えば嘘になります。まぁ、まずは最強位決定戦でどうなるのか追っていければ。今回はこの辺りで~!


文責:ジャイロ