長かった本企画も遂に最終回である。
5回戦にて優勝デッキ、つまりは『NEXT王』は決まったが、それ以外は全くの白紙である。
一度始まった企画、最後まで追わずして終えられようか。
幸いにもフェアリープロジェクトでは残りのカード、赤単NEXTvsメンデル8投NEXTが動画化されている。本ブログでもカバレージというコンテンツで最後まで追っていきたい。
5回戦が環境構築vs環境構築だとすれば、今回は非環境構築vs非環境構築であろう。かたや単色構築、かたやレギュレーション無視である。
ある意味似た者同士の戦いでもある最終戦。運命や如何に。
1本目 先攻:ZwieLance(赤単NEXT)
2ターン連続で《5000GT》を埋めるZwieLance。現在のGR環境では通りの良いカードであるが、対NEXTとなると上手く機能しないカードである。ここは必然であろう。
そんなZwieLanceを横目にメンデル8投NEXTを握るフェアリーは2ターン目《メンデル》発射からの2ブーストを決め余裕の展開……と思いきや、ZwieLanceは黙って見過ごさない。
《決闘者・チャージャー》から《決闘者・チャージャー》と《ボルドギ》を回収に成功。
お互いに"持っている"展開である。
フェアリーはマナを伸ばす為に《ギフト》を絡めて《爆裂遺跡シシオー・カイザー》を召喚。
対してZwieLanceは先ほど持ってきた《決闘者・チャージャー》でマナを伸ばすだけでターンを終えてしまう。
好機!今大会、メンデル8投NEXTのみに搭載された呪文が放たれる!!
《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》!
山札からドラゴンを持ってくる秘術は、現在フェアリーが最も必要としているクリーチャーを呼び出す!!
《次元龍覇 グレンモルト「覇」》!!!
攻撃時に《ギガハート》を装備、バトルゾーンには2体目のドラゴン、《シシオー・カイザー》が待機している!
《ギガハート》の龍解は止まらない。《オウギンガ》となり、ZwieLanceの最後の盾を割る!それと同時にトドメ要員の《ガイギンガ》もバトルゾーンへ!
《ガイギンガ》を選んでしまうと、折角耐えてもフェアリーのターンが続く。もはやZwieLanceに解答は残っていなかった。
《SMAPON》を除いて!!!
《オウギンガ》の最後の攻撃はZwieLanceの盾にいた《SMAPON》を呼び覚ます!SST能力により、《ガイギンガ》を選ぶことなくターンを得る!幸運の女神とやらは1度ぐらい微笑むものらしい。
ZwieLanceも《モルト「覇」》をコールすると場に出したのは《エンドレス・ヘブン》。
さらに《ドギラゴールデン》に革命チェンジというオマケ付きだ。またしても選ぶことなく《ガイギンガ》、《オウギンガ》を攻撃不能に。
《SMAPON》を自爆特攻させることでZwieLanceを守るシールドが追加された。
極限ファイナル革命の効果で《シシオー・カイザー》を出すだけでターンを終えなければならないフェアリー。ZwieLanceはトドメに入る!
革命チェンジで手札に戻っているのはもはや既知の事実である。《モルト「覇」》を召喚して《ギガハート》を装備。
《モルト「覇」》の2点…トリガー無し。
《ドギラゴールデン》の3点………
ここで《ギガハート》が残れば龍解してダイレクトアタックまで行ける!!
だが、神は常に平等である。
勝利の女神は1度は微笑む!!
《熱血龍 バトクロス・バトル》!!!
《モルト「覇」》をバトルで破壊、それは同時に《ギガハート》も消し去る!!
極限ファイナル革命効果も消えた。バトルゾーンには殴れるクリーチャーが4体。対してZwieLanceのシールドは2枚。
フェアリーは同じ轍を踏まない。《シシオー》で1点ずつZwieLanceのシールドを割り、SSTをケアする。
ZwieLanceの手から《SMAPON》が溢れた。
シールドを1枚残して。
2回戦の意趣返しともとれる展開。ケアされる《SMAPON》。
フェアリーの《ガイギンガ》がZwieLanceを仕留めた。
勝者:フェアリー(メンデル8投NEXT)
勝利の女神は2度微笑まない。1度目でその勝利をモノにしなければ浮気性の彼女はすぐに何処かへ行ってしまう。
今回、見事に勝利を掴んだのはフェアリー。メンデル8投という安定性を武器に駆け抜けられるか?
2本目 先攻:ZwieLance(赤単NEXT)
初動が3コストの《決闘者・チャージャー》か《コッコ・ゲット》である赤単NEXTにとって、8投されている《メンデル》を先に打たれるのは必然である。
と、思っていた。しかし、ここにきてフェアリーは《メンデル》を打てない。大事な大事な最終戦において引けないという痛恨の下振れ。
序盤が長くなる。ならば、序盤に強く出ればいい!
赤単NEXTの強みは柔軟な戦略にある。今回選んだのはもちろん、革命チェンジによるビートダウン戦法!
《"龍装"チュリス》から革命チェンジ、
《カツキングJr.》!!
フェアリーは《バトクロス》をトリガーし、《ドルマゲドン》のスレイヤー付与により相討ちを取るものの失ったシールド3枚はあまりにも大きい。
加えて、まだ《メンデル》を引けていない。
ZwieLanceが《コッコ・ゲット》で次の動きを広げたため、《ギフト》+《マナロック》で動きを縛ったフェアリー。
しかしそれも一時しのぎに過ぎない。
満を持して登場する。この、これらの、デッキ全てを統べる切り札……
《超戦龍覇 モルトNEXT》!!!!
《ハートバーン》を建設しフェアリーの最後の盾を襲う。フェアリーにこれを返す術はなく、攻撃を受け入れた。
勝者:ZwieLance(赤単NEXT)
ビートダウン戦法が捌かれても、なお次の矢を据えていたZwieLance。対して初動を引けなかったフェアリー。
「《スクチェン》《マナロック》《NEXT》あったから勝てたと思ったのに…」
《メンデル》が1枚でも絡んでいれば勝負は大きく違うものであったろう。何はともあれ、3本目までもつれた最終戦。
泣いても笑っても最後の試合である。15本に渡るNEXT王最強決定戦の最後を締める。
3本目 先攻:ZwieLance(赤単NEXT)
2本目のような下振れはそうは起きない。なぜならこのデッキには8枚入っているから。
フェアリーの打った《メンデル》はマナを2枚増やして次の動きに繋げる。
《NEXT》を狙う勝負では出力に差が出てしまい戦えないと判断したZwieLance。
革命チェンジによるビートダウン戦法へと切り替える。
《"龍装"チュリス》からチェンジ、《ドギラゴールデン》!
フェアリーのシールドを3枚ブレイク!
しかしここで値千金のトリガー、《バトクロス》が出てきてしまい、スレイヤーを得て《ドギラゴールデン》と相討ちになる。
「3」
早くも訪れた危機をなんとか凌いだフェアリー。《シシオー・カイザー》でマナを伸ばしてZwieLanceにターンを返す。
「2」
《"龍装"チュリス》+《ドギラゴールデン》で手札のリソースを吐ききっていたZwieLance。思うように動けずチャージのみでターンを返してしまう。
マナは伸びた、ターンも返ってきた。これ以上攻撃を受ける訳にはいかないフェアリーは《永遠のリュウセイ・カイザー》を召喚するとZwieLanceの攻撃に待ったをかける。
「1」
刻々と。
しかし確実に。
時は迫る。
フェアリーが最後に召喚したのは《モルト「覇」》。
「0」
時は満ちた。NEXT王の最後を締めくくる破壊の星が呼び覚まされる!!!!
《終焉の禁断ドルマゲドンX》!!
打点は揃った。《モルト「覇」》は《オウギンガ》を呼び、《オウギンガ》は《ガイギンガ》を呼ぶ。
ZwieLanceに《オウギンガ》がトドメの刃を振るった。
「《ボルドギ》!!」
高らかに宣言された1枚だけの《ボルシャック・ドギラゴン》。
呼び込んだのは《龍の極限 ドギラゴールデン》。
その銃口は1度、さらにもう1度《ドルマゲドン》を穿つもあと1歩及ばず。
力強く、そして高らかにフェアリーは拳を掲げた。
WINNER:フェアリー(メンデル8投NEXT)!!!
桁外れの安定性、トリガーのタイミング、そしてトドメの《ドルマゲドン》。どこを切り取ってもアツい試合であった。
全試合が終了し、結果は以下の通りとなる。
どのデッキにも、そしてどの戦いにもドラマがあった。
完全に筆者の余談であるが、やはりパワーに振りきっているNEXTというデッキタイプはカバレージを書いていて面白い。ここでめくらなければ…ここで通れば…など、動画では掘り下げられなかった部分にフィーチャーして記事に起こしたのだがいかがだっただろうか?
《ボルドギ》のドキドキなども読者の方と共に共有できたのであれば幸いである。
読者の皆様、そして何より、カバレージ化を快諾して下さったフェアリープロジェクトのフェアリーさんとZwieLanceさんに感謝を述べると共にNEXT王最強決定戦の記事を締めさせていただく。
動画はこちらから↓
記事:ジャイロ