「《NEXT》ってなんかやばいこと起きるんだよね。」
そう語るフェアリーは我々の台詞を代弁している。
戦略的ハートバーン、スクチェンNEXT、バトガイループ、プレミアム殿堂超次元コンビ、など多くの単語をこの世に産んだ《NEXT》というデッキタイプ。
今回はどのようなドラマが見れるのだろうか。
3回戦はフルパワーNEXT対赤単NEXT。正統派のフルパワーNEXTは1回戦でもNEXTの名前に恥じない見事なフルパワーを見せてくれた。対する赤単NEXTは残念ながら2回戦では0-2で現在良いところ無しである。今回も《SMAPON》を巡る駆け引きが起こるのだろうか?
デッキの選択権があるのはフェアリー。「赤単悪くなかったよ。《SMAPON》怖いもん、普通に。」フェアリーはそういいつつフルパワーNEXTを手にする。体は正直だ。
この選択が吉と出るか凶と出るか?
1本目 先攻:ZwieLance(赤単NEXT)
先に動いたのはZwieLanceの赤単NEXT。赤単専用の軽減クリーチャー、《コッコ・ゲット》を展開しターンエンド。
対してフェアリーは3ターン目の《メンデル》。加えて1ブーストのみと動きが乏しい。
その隙にZwieLanceは《決闘者・チャージャー》でマナを伸ばし次のターンに備える。
フェアリーはハンドを伏せると呟いた。
「とりあえず、」
我々はその台詞の恐ろしさを2回戦で見ている。そのとりあえずはとりあえずではない!
伝家の宝刀、スクチェンNEXT!!
《バトガイ刃斗》を装備し攻撃!山札から呼んだのは……
2体目の《超戦龍派 モルトNEXT》!!
加えて《ハートバーン》!!!
続く《NEXT》の攻撃で呼び出したのは《モルト「覇」》!
こうなると止めるには《SMAPON》しかいない。
しかし頼みの《SMAPON》も最後のシールドにいなければ意味がない。
そう、4枚目にトリガーしては意味がないのである。
パワー12000の《ボルシャック・ドギラゴン》ではパワー17000の《ガイNEXT》に届かない。
早々に1本目の勝者が決まった。
勝者:フェアリー(フルパワーNEXT)
まさにフルパワーを象徴する試合であった。これこそがチカラ、これこそがフルパワーなのである。
対して後が無くなったZwieLanceの赤単NEXT。ここで戦略を変更する。
赤単NEXTはその攻撃的なデッキ名に対して、実は戦略の幅が広いのが特徴。
《ボルシャック・ドギラゴン》で受けて返すカウンター戦法、《モルト「覇」》や《NEXT》で詰めるミッドレンジ戦法、今回ZwieLanceが選んだのは……
2本目 先攻:ZwieLance(赤単NEXT)
先ほど鮮やかなスクチェンNEXTを決め、《バトガイ》から追加の《NEXT》を呼んだフェアリー。
「今日の流れは俺に来ている!」
そう豪語するのも必然だ。2ターン目に撃ったのは《メンデルス・ゾーン》!!
…
……
………
ここに来て流れが変わった。
ZwieLanceのマナは3。
《"龍装"チュリス》、革命チェンジ…
カウンターでも、ミッドレンジでもない。ZwieLanceが選んだのは《"龍装"チュリス》から革命チェンジを狙うアグロ戦法!
3ターン目にして速くも3枚の盾を失ったフェアリー。
「さっきの《メンデル》、1枚でも決まっていれば…」
そう嘆くのは手札に《フェアリー・ギフト》があるから。だが、しかし、もし、Ifの話をしても遅い。
あるのはZwieLanceのバトルゾーンに《カツキング Jr.》、手札に《"龍装"チュリス》があるという事実のみ。
トドメの革命チェンジ、《龍の極限ドギラゴールデン》!!
フェアリーの盾に《バトクロス》は無く、ダイレクトアタックを受け入れるしかなかった。
勝者:ZwieLaws(赤単NEXT)
戦略を変え勝ちを獲りにいったZwieLance。その勢いは止まらない。
3本目 先攻:ZwieLance(赤単NEXT)
ここにきて先攻を獲得したZwieLance。まさに勢い留まることを知らず。
だが、フェアリーも黙ってはいない。《メンデル》で2ブーストを決めると一気にリソース面での優位を取る。
ZwieLanceは2本目同様、《"龍装"チュリス》+《カツキング Jr.》でフェアリーを襲う!
《バトクロス》さえ!《バトクロス》さえ捲れば、《ドルマゲドン》の封印を外してどんな相手ともスレイヤーで相討ちを取れる。
しかしフェアリーの盾から《バトクロス》は捲れることなくターンが終わる。
フェアリーのマナは5。《ギフト》もしくは《スクチェン》があれば走りにいけるが、《メンデル》でマナを伸ばすだけでターンを終えてしまう。
こうなってしまってはZwieLanceを止める手段は無い。
《カツキング Jr.》はフェアリーの盾を割りきり、ハンドに戻った《"龍装"チュリス》がトドメを刺すのであった。
WINNER:ZwieLance(赤単NEXT)!!!!
《NEXT》を狙うゲームだと加速の弱い赤単ではフルパワーに勝てないと判断し、《"龍装"チュリス》によるアグロ戦法への素早い切り替え。1本目の負けを活かした見事な逆転劇であった。流石はNEXTの申し子である。
現在、フルパワーNEXT、カウンターNEXT、赤単NEXTがそれぞれ1勝で並んでいる。となると、負けていないカウンターが現在『NEXT王』に最も近いと言えるだろうか?
とはいえ、まだ半分試合は残っている。本ブログでは引き続きその行方を追っていきたい。
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記事:ジャイロ