大阪府北部で開催された北千里CS。120人の頂点が今、決まろうとしていた。
1週間前の高槻CSでも優勝した茨木のアーチャーは今日も相棒の緑ジョーカーズを片手に勝利を目指す。
対するは関西の若手DMP、たぷんたぷん。
繊細なプレイを要求する白単絶十を握り勝ち抜けてきた。
勝てば優勝、負ければ準優勝。その価値は天と地ほど違う。両選手が目指すのは勝利の二文字のみ。
1本目 先攻:たぷんたぷん
先に動いたのは白単絶十を使うたぷんたぷん。
《破面ノ裁キ》でシールドに紋章をセットする。
対する茨木のアーチャーも負けていない。
2マナで《タイク・タイソンズ》、3マナで《メイプル超もみ人》と上々の滑り出しだ。
たぷんたぷんは白単絶十のメインエンジンである《転生ノ正裁Z》を唱え、サバキZ発動!
《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》で《もみ人》をシールドに張りつける。
茨木のアーチャーが足踏みする間にたぷんたぷんは更に足場を固める。
《剣参ノ裁キ》で次の《転生》を抱えると、《転生》《穿ツ》《剣参》を1枚のシールドに重ねジョーカーズの攻撃を構える。攻撃して来なければ先ほど回収した《転生》でアクションを起こすという二段構えだ。
苦しくなった茨木のアーチャーは《ジョットガン・ジョラゴン》を召喚すると攻撃を仕掛ける。ジョラゴン・ビッグ1で《アイアン・マンハッタン》を捨て、表向きの盾を割りに行く。
だが、約束されたサバキZがそこにはある。
《穿ツ》を2枚発動させ、茨木のアーチャーの盤面のクリーチャーを全てシールドに張りつける。
ジリ貧になった茨木のアーチャー。マナから《バングリッドX7》を召喚、さらに《バングリッド》で《もみ人》を呼び、盤面を横に広げる。
たぷんたぷんの盾に《穿ツ》が確定で2枚ある以上、お互いに盤面の取り合いになる。
たぷんたぷんがブロッカーを並べるのが先か、茨木のアーチャーがジョーカーズを並べるのが先か。
お互いに盤面を取り合う戦いが始まるのだと誰もが思っていた。
白単絶十を握るたぷんたぷんを除いては。
たぷんたぷんは6マナを捻ると《無双の縛り 達閃》を召喚した!
主な除去が《穿ツ》しか無い以上、横に広げる展開に白単絶十は弱い。その弱点を熟知していたからこその採用であろう。
《バングリッド》も、《キング・ザ・スロットン7》も、ジョーカーズチェンジも縛られた茨木のアーチャー。
その隙をたぷんたぷんは逃さない。
《ハイオリーダ》を召喚しGR召喚で盤面を横に広げる。
さらに追加の《ハイオリーダ》!!!
瞬く間にGRクリーチャーを展開する。
12体のクリーチャーを横に広げてたぷんたぷんは静かに1マナを使った。
「シンパシー:クリーチャーで《イマムーグ》召喚」
《7777777》を、《マン・オブ・すて~る》を封じられた茨木のアーチャーに超過打点を崩す手段は残っていなかった。
勝者 たぷんたぷん
繊細なプレイを要求する絶十を使いこなし勝利を納めたたぷんたぷん。このまま駆け抜けれるか。
2本目 先攻:茨木のアーチャー
後がない茨木のアーチャーは序盤から猛攻をしかける。
2マナで《タイソンズ》を召喚すると《バングリッド》にジョーカーズチェンジ。
次のターンも《バングリッド》で果敢に攻める。
さらに追加の《タイソンズ》をコールし、《タイソンズ》にチェンジ、
ここまでされてたぷんたぷんは黙っていない。
前のターンから仕込んでいた表向きの紋章を裏返すと《煌世主 サッヴァーク†》を着地させる。
《タイソンズ》をブロック、《バングリッド》をタップキルして盤面を取る。
万事休すか?
否、茨木のアーチャーは二度同じ轍を踏まない。
1本目で盤面の取り合いに敗れた茨木のアーチャーはここで勝負の《キング・ザ・スロットン7》を召喚。
《スロットン》は《ソーナンデス》を呼び、《ソーナンデス》はジョーカーズチェンジで《スロットン》に。
その《スロットン》は《サイコロプス》を呼び《サッヴァーク†》をボトムに返す。
盤面を横に広げた茨木のアーチャー、《穿ツ》の処理能力を上回る展開力だ。
たぷんたぷんは《転生》を使いサバキZで《穿ツ》と《絶十》を宣言。
《スロットン》を除去するも盤面には別の《スロットン》と《サイコロプス》が。
茨木のアーチャーは手を緩めず、《ドンジャングルS7》を召喚、さらに《ソーナンデス》を呼ぶ。
《ジャングル》は《ハイオリーダ》をマッハファイターで除去、《ソーナンデス》は《オラマッハ・ザ・ジョニー》にジョーカーズチェンジして《絶十》を襲う。
白単絶十にとって《オラマッハ》は天敵である。盤面をマスターマッハファイターで除去されるだけでなく、防御手段である《穿ツ》を撃ち落とされるからだ。
たぷんたぷんは《オラマッハ》の着地を許さない!
表向きの盾を裏返すと《サッヴァーク†》を宣言、攻撃をブロックし《オラマッハ》を破壊する。
続くたぷんたぷんのターン、《サッヴァーク†》は《ドンジャングル》を処理する。
だが、《オラマッハ》はただ破壊されたわけではなかった。
茨木のアーチャーにとって《オラマッハ》が処理されるのは想定済み。《オラマッハ》は残していたのだ。
《ジョラゴン》というトドメの弾を!!
《オラマッハ》の登場時能力で《ジョラゴン》を回収していた茨木のアーチャー。
展開勝負を制した《スロットン》と共にたぷんたぷんを襲う。
たぷんたぷんは広がりきった盤面を処理することはできなかった。
勝者 茨木のアーチャー
決勝戦にふさわしい戦いとなった。1-1、どちらも一歩も引かぬ戦いだ。
最後に笑うのはどちらか…
3本目 先攻:たぷんたぷん
両選手、静かな立ち上がりとなる。
たぷんたぷんは《破面ノ裁キ》を2回唱え手札を整える。茨木のアーチャーは《もみ人》でマナを伸ばす。
お互いに負けられない勝負。1つのミスが命取りになる。一歩一歩、着実にプレイしていく。
ジャッジも、観客も、その場の全員が固唾を飲み勝負の行方だけを見守る。
たぷんたぷんは《ダイヤモン将》を召喚し、リソース勝負の優位を得る。
茨木のアーチャーは《バングリッド》で《ダイヤモン将》を討ち取るも、《ダイヤモン将》の効果はシールドゾーンでも健在だ。
続けて、茨木のアーチャーは《スロットン》を召喚すると、効果で《バングリッド》を着地。確実に盤面を整える。
たぷんたぷんは《ダイヤモン将》の効果を最大まで発揮させる。《堅珠ノ正裁Z》、《集結ノ正裁Z》を連打。手札を整え、シールドに紋章を散らしていく。
5枚のシールドのうち、4枚に紋章がある状態。
茨木のアーチャーが《スロットン》から《スロットン》を繋げ《ジョラゴン》を着地させるも紋章だらけの盾に攻撃できずターンを返す。
たぷんたぷんは《ハイオリーダ》を召喚してさらにシールドを増やし、《ポクタマたま》をGR召喚。盤面の構築に入る。
1枚しか残っていなかった手札に解答はあるのか。それとも解答となる札を引いてこれるのか。激しく重いドローの末、茨木のアーチャーは手札をそっと伏せた。
ダメだったのか?
いや、そもそも手札はいらなかったのだ。
そこに《バングリッド》がいるなら。
《スロットン》効果で盤面にいた《バングリッド》はマナゾーンの《ジョラゴン》へのアクセス権。
《スロットン》を弾として回収し、2体目の《ジョラゴン》がバトルゾーンへ舞い降りた。捨てるカードはもちろん、いま回収した《スロットン》だ。
茨木のアーチャーは後に語る。
「先週もジョーカーズで優勝できた。信じたデッキを使って良かった。」と、
その信用にデッキも答えたのだ。
2回の《スロットン》効果から捲れたカードは《アイアン・マンハッタン》と《オラマッハ・ザ・ジョニー》!!
まさに、いま、このタイミングでの2枚!
片や大量の盾を撃ち崩す破壊の神、片や白単絶十のキラーカード。
プレイヤーの信用にデッキが答えた瞬間に立ち会ったのだ。
たぷんたぷんのシールドが《マンハッタン》によって崩れていく。
最後の望みを賭けてサバキZで《穿ツ》を宣言、しかし《オラマッハ》はその望みを撃ち抜く!
《マン・オブ・すて~る》を切り《穿ツ》を不発にさせる。
たぷんたぷんは静かに《もみ人》の攻撃を受け入れた。
WINNER:茨木のアーチャー
白単絶十に《達閃》や《イマムーグ》を採用し、繊細なプレイを確実にこなしてきたたぷんたぷん、カウンター寄りのジョーカーズにも前のめりに《タイソンズ》を投入し勝利を掴んできた茨木のアーチャー。
どちらが勝ってもおかしくない対決であった。
最後までアツい戦いを魅せてくれた両選手に、そしてカバレージ化を快諾してくださったトイコンプ北千里店様にも感謝をすると共に、今回のカバレージを締めさせていただく。
記事:ジャイロ